評価に直結だからこそ、レベルアップを重ねたいスキルとは?

COLUMN /

blog ひと言 No.7

■“伝えることが上手い”を追求するサポート

  「社長のスピーチも見られるんですかーー?」   こう聞かれることがよくあります。

 イメージコンサルタントというと、やはり“外見を恰好良くする仕事”と思われているようで、スピーチ・話し方関連まで守備範囲だというと、意外そうな顔をする方は少なくありません。

 もちろん、外見も大切ではありますが、トップの印象・イメージを決定づけるうえで、「話し方」は重要なポイント。

 大勢の前で話すパブリック・スピーチだけでなく、社外での交渉や営業、社内の会議やプレゼンなど、話し方次第で結果も変わってくることは、みなさん、実感されているのではないでしょうか?

   とくに今月は、「スピーチ・話し方」関連のコンサル案件が多い1カ月でした。トップの方から管理職の方々、起業して間もない方まで、それぞれの目的に応じて最高のパフォーマンスを出せるようにそれぞれのサポートをさせていただきました。

 苦労話しはいろいろとありますが、本番を終えたご本人やスタッフの方から、「成功しました!」という声をいくつもいただきました。本当にこの言葉を聞くために仕事をしているようなものです。  

 「どんなサポートをしているのか?」――私は話し方の先生でも、スピーチトレーナーでもありません。S・ジョブスや孫正義氏のような誰もから拍手喝采を浴びる“上手い”スピーチや話し方にするためにサポートするわけではありません。

 「話しが上手というよりも、“伝えることが上手い”を追求したい」という思いがあります。「上手い」と「伝わる」はまったくイコールではないのです。

 今月の案件のなかでも、「上手いのはAさんだけど、聞いている人に響くのはBさんだよね」という声もありました。すらすら流れるような話しではなく、少々無骨でも、その話し手に合った伝え方があることを改めて感じます。

  興味深いのは、「話しが上手い!」と言われている方ほど、その現状に満足せず、さらに上を目指す傾向が強いことです。逆に自信がない方は、最初の一歩をためらうためか、なかなか第三者の力を借りるという発想にはつながりにくいようです。

 そして、あるとき、大きなスピーチをすることになり、その時に慌ててしまうーー。

 本来、トップ、経営層になれば公式の場で話しをする機会があるのは当然として、それなりのスキルがあるのが理想です。とはいえ、「どんなところでも、どんな話でも大丈夫」と自信をもって言える方は、決して多くはありません。

■自分の無理のないやり方で万全な準備を

 ここで「大丈夫!」と言い切ってしまう方のほうが、逆に心配と言うべきかもしれません――。   あえて大事なポイントを2点あげてみます。

   まず、「話し方」については、ご自身のクセを知ること

 誰でも少なからず話し方にクセはあるものです。言葉のアクセントが独特であったり、「あ~」が必ず入ってしまったり、「さ行」の言い方が聞こえにくかったり、文末になるほど声が小さくなったり。簡単に直らないのがクセですが、クセに気付かない、指摘されたことがない、という方が結構、多いのが現状です。

 まずはご自身のクセは何か?これはご自身で話した動画を見るとよくわかりますが、気になることをなくすように意識するだけで、明らかな違いが出てきます。   今月サポートさせていただいたある社長も、なかなか直らない話し方のクセがありました。

 詳細は控えますが、話し方の印象を大きく左右するそのクセを一切やめること、もし、言いそうになったときは、代わりに「〇〇」してください、とお話ししてみました。ご本人には大変なことでしたが、意識してその指摘を守ってくださったおかげで、公式の場でのスピーチの評価が大きく高まった、という実例もありました。

  また、本番までの「準備」が成功の9割を決めるといいます。

 準備というと、原稿を片手にブツブツ言っているというイメージがありますが、その準備の仕方は人それぞれ、やりやすいやり方で万全にすればよいのです。

   ある話しが上手いと評判の社長は、多忙を極めるなか、どこで準備をしているのか、と不思議に思っていたところ、その秘密はいつも手放さないスマホにありました。スマホに原稿を入れておいて、本番直前までちょっとした時間でも、スマホとにらめっこしているとのこと。

 「周りからは仕事の連絡をしていると思われているみたい」と笑っていました。移動中の車で音声を流したり、スマホに入れた音声をイヤフォンで聞いたり、やり方も、準備に費やす時間も人それぞれ。無理のないやり方を見つけて、万全な準備をして本番にのぞみたいものです。

 良い評価が耳に入ってくると、モチベーションが上がるのは誰も同じです。とくにスピーチは、結果が評価に直結する分、やりがいも感じるはずです。極めることが難しいスキルですから、他人との比較でなく、過去のご自身との比較が、一番違いが実感できるのではないでしょうか?

 昨日より今日、今日より明日、確実にスキルアップしたいですね。    


この記事の執筆者

yamakawa midori
山川碧子(やまかわ みどり)

株式会社プライムイメージ代表/AICI国際イメージコンサルタント。2006年からビジネスパーソンの印象管理・印象マネジメント®を中心にサポートしています。著書『4分5秒で話は決まる~ビジネス成功のための印象戦略』。お仕事のご依頼はこちらからお願いします。