「セルフ・コンパッション」ができる人こそ良きリーダー

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自分を奮い立たせる時代は過去のもの

 先週7月2日は、一年のちょうど真ん中の日。

 この日は私の誕生日でもあるので、一年の半分の振り返りの日として何事にもよい区切りとなっています。とくに仕事に関しては、改めて自分を奮い立たせないといけない、毎年、そんな日でもありました。

 でも、それは昨年までの話。世の中的にも自分的にも、今は少し違ってきていることを肌で感じます。

 某有名ファッション誌で「セルフ・コンパッション」という言葉を見つけました。これは「自己共感」と訳され、自分に優しくする、自分を慈しむ、という意味だといいます。

 日本でも「マインドフルネス」に注目が集まり、ビジネスシーンでも精神的安定が重要視されるようになりました。その後に続くと言われるのが、今、アメリカで注目されているこの「セルフ・コンパッション」です。

 うまくいかない、予定通りに進まないことに対して「もっとがんばらなければ」「自分のやり方悪い」とマイナスの部分をプラスに転じるために奮い立たせてました。

 これが当たり前と思ってきましたが、改めて考えるとできていることもある。それに対しての評価は全くせずに、できないことにばかり注目してしまう傾向があり、それが良くないという意識が全くありませんでした。

 

がんばれ!がんばれ!では続かない時代

 この「自分に優しくする」に注目が集まった背景には、やはり1年半続いているコロナ禍の影響が大きくあります。

 2020年の自殺者数は、リーマン・ショック後以来、11年ぶりに増加したといいます。とくに女性や若年層の数が増え、健康問題が動機という人が50%近くでした。(日本経済新聞電子版2021.3.16)。この健康問題には心の問題の影響か大きいことが想像できます。

 自分の力ではどうにもならないことに対して、感じる無力感。いろいろな方法も模索しながら何か拠り所を見つけて、どうにか保っているのが今の状況なのかもしれません。

 がんばれ!がんばれ!では、もう続かない時代背景だということを改めて実感します。

 人の上に立つ立場にある人であれば、部下を意識的にほめることが必要という認識の方も多いでしょう。

 では、ご自身に対してはどうでしょうかーーー?

 部下の方へのメンタルの気遣いはしていても、日々、ストレスを抱えている自分自身をほめたり、いたわったりしているという方は本当に少ないのではないでしょうか。とくに昭和の人たちは、どこか根性論を良しとしているところがありそうです。

 私自身も少し前までは、「セルフ・コンパッション」には程遠い、まったく意識の低い人でした。最近では周りの人の影響もあり、体も心も疲れているときは疲れていることを認め、実際にはなかなかむずかしいですが、自分を労わろうという意識に変わりました。

 今の時代、「セルフ・コンパッション」を知っている人、それができる人が、本当の意味で、部下にも周りの人にも影響力がある良きリーダーといえるかもしれません。

 

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