「〇〇〇〇力」次第で普通の人が「おしゃれ」に見える

COLUMN /

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きちんとした身なりは当たり前の立場

 先日、ベストドレッサー賞(一般社団法人日本メンズファッション協会主催)の受賞式に出席する機会をいただきました。

 毎年、この時期にニュースになるのでご存じの方も多いと思いますが、今年で48回目を迎えるこの賞は、単にファッションリーダーだけでなく、その人のライフスタイルや生き方がスタイルに表現されている人が選ばれる、と公式的にはなっています。

 とはいえ、おしゃれな人のための賞で、自分にはまったく関係ないーーと思いがちですが、この授賞式で受賞コメントを聞いて、改めて思ったことがあります。

 「おしゃれと感じさせるのは、コメント力次第」であるということ。

 この賞は、政治、経済、学術・文化、芸能、スポーツの各部門から選ばれていますが、今回の政治部門の受賞者は、自民党の世耕弘成氏

 現在、参議院自由民主党幹事長として活動されていますが、さて、世耕氏が「おしゃれな政治家か?」という印象があるかというと、「Yes」という声は多くはないでしょう。政治家であれば、きちんとした身なりをしているのが普通です。

 そのうえで、「おしゃれ」だと敢えて言えるのは、相当に高いレベルの人。例えば、服装にこだわりがある政治家というと、私は麻生太郎氏をあげます。問題になる発言やマフィアのようだと揶揄された服装などいろいろと話題となりますが、着ているスーツ、ネクタイの結び方ひとつでも相当こだわっていることがわかります。

 それに対して、世耕氏はーーー。政権のメディア担当としての評価は高かった一方で、身長も160cm台と小柄なこともあり、装い的にも、外見的にも、目立つ印象やこれといって特記することはありませんでした。

 

受賞にふさわしいかを判断されるカギ

 授賞式当日は、受賞者が一人ひとり受賞についてのコメントをします。ここでのコメント力がベストドレッサー賞にふさわしいかどうかのカギ。結論としては、このときのコメント、そのこだわりをベストドレッサーと上手くリンクさせて言語化できているか次第です。

 世耕氏は、2016年に経済産業大臣に就任して、表舞台に立つようになってからは、スーツを着るときにこだわり出したとのことです。コメントで言ったのは、「スリーピース」「ジレ」「赤」これら3つのキーワードです。

 「~海外の方は大柄なのに対し、私は体が小さくて見劣りがしちゃうなって思っていたんです。そんなとき誰かに『スリーピースにすると貫禄が出て、体が小さくてもしっかり見えるよ』って言われて、実際に着てみたらしっくりきたんですね。それからはスリーピースを着るようになりました。」

 「特にジレ(ベストのこと)はいいですよ。クールビズのときなどは、シャツ1枚でいるよりもピシッと見えますし、あとシャツだけだと夕方ごろにはシワシワになるけど、ジレを着ていればそう見えない。それが気に入っていて真夏でもジレは必ず着ています」

 「~ががラッキーカラーなので、を採り入れることが多い。今日着ているスーツの裏地もですし、ネクタイもです。」(『48th BEST DRESSER STYLE BOOK 2019』より)

 このように明確にコメントができるようになったのも、つい数年前からのことだと思われます。ここまできっちりとこだわりを言語化できるのであれば、ベストドレッサー賞受賞の理由にもなります。このこだわり、理由付けを言えるかどうかで、大きく印象を左右させるわけですから。

 いつでも格好がいい!と言われる、本当におしゃれに敏感だと自他ともに認める人は、素の状態でよいかもしれません。そこまでではない、と自覚がある人は、自分のこだわるべきポイントを決め、それにしっかりと沿ったことを一定期間やることで、他者にはこだわりとなって見えるともいえます。

 「シャツは薄いブルー」「襟はセミワイド」「ネクタイはコーポレートカラーのブルー系」など、自分でムリのない範囲とレベルで、コメントできるようなこだわりを作れば、印象度も大きく違ってくるはずです。もちろん、ここで言行一致していることがすべての前提とはなりますね。

 

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