「守りたい」と社員に言わしめる社長とは?

COLUMN /

blog ひと言 No.51

■ワンランク上がるとさらに新たな課題が出てくるもの

 先週、定期契約をいただいている企業に、新しく管理職の方が入られたとのことで、顔合わせを兼ねたお打合せの時間をいただきました。

 新管理職の方は、他企業の第一線でご活躍されていたのが伝わってくるパワフルで前向きな姿勢と明るいお人柄。部署内がとても良い雰囲気になっていることを感じました。

 一人の人材によって、雰囲気は敏感に良くも悪くもなるものです。そのポジションが上になればなるほど、その影響力は大きくなります。

 この場では、これまで社長様をサポートしてきた状況報告と現状の課題を弊社の立場から見てお話しをしました。定期契約も長くなると、気を付けてはいても、まったくの外部の目というよりは、やや内部の目に寄ってしまう傾向があります。

 数年前のご依頼時の課題と現在の状況では、やはり変化があるようで、こちらがまだまだ課題があると思っていることも、随分と改善されていて、現状では問題がないというレベルになっていたのは、うれしい変化でした。

 とはいえ、1ランクアップすると、新たな課題が出てくるものです。次のレベルに上ったら、また、次の課題解決に向けてやっていかなければいけない、まさに「継続は力なり」の実践です。

■社員から「守りたい」と言われる所以は?

 ここで印象深かったことを一つ。私をジーンとさせる言葉がありました。

 新たな管理職の部下となった方は、私が知るなかでもとても“できる”と感じさせる人。私がよく、「今の若い世代って、仕事ができる人はとことんできるよね」と話しますが、その代名詞となるような女性です。その方が言った言葉でした。

 「社長を守りたい、んです。」

 混乱すると困りますので、敢えて言っておきますと、社長は男性です。新しい管理職の方も、「感動しましたよ~」。私は「思わずジーンときますねぇ」という会話がなされました。

 なぜ、こんな感想が漏れたかというと、まず、一社員から、「守りたい」と言われる社長、そんな人はなかなかいません。違いますかーー? 

 頼りないから守りたい、とは次元の違う話しです。

 当然ながら、仕事とプライベートをしっかりと分けた発言であること当たり前。社長としての実力も実績も、社会的地位や知名度がある、自分よりも2世代は年上の社長を「守りたい」とはーー。

 社長の性格をしっかり把握して、得意なこと、苦手なこと、好ましいこと、嫌いなこと、それらを踏まえて、いかに社長の仕事をやりやすくするか。そして、良さが伝わり切れていない社長の魅力をいかに相手へ伝えていくか。

 本業での業績を上げるため、仕事をやりやすくスムーズにするために、ベストな環境に社長をおいて、余計な雑音がなくなるように整えて、経営者としてのパフォーマンスを最大限に上げるためのサポートをするーーーということなのでないかと、私なりに解釈をしました。

 この企業の方とお話しをすると、社長についていろいろな課題は出てきますが、それもみんな本来の社長の良さが伝わっていないことを問題視しているためのことです。どちらかというと無口で口下手であり、サービス精神が旺盛とは決して言えない社長に対して、みんなが好意を持っていることを感じさせるシーンが多々とあります。

 これはやっぱり、突き詰めていくと、社長の人柄に魅了されている、のではないでしょうか。

 人柄が良ければ、「守りたい」と言われるわけでは決してありません。社長としての実績と威厳をもって、さらに上へ昇る人への尊敬の言葉とも言えるのかもしれません。

 さて、あなたは「守りたい」と言われる社長ですかーーー?

 「守りたい」と言ってくれる社員はいますかーーー?


この記事の執筆者

yamakawa midori
山川碧子(やまかわ みどり)

株式会社プライムイメージ代表/AICI国際イメージコンサルタント。2006年からビジネスパーソンの印象管理・印象マネジメント®を中心にサポートしています。著書『4分5秒で話は決まる~ビジネス成功のための印象戦略』。お仕事のご依頼はこちらからお願いします。