求められるのは、社長個人完結型から企業体としての一貫性

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blog ひと言 No.21修正

■言っていることと行動が完璧に一致している?

 コンサルティングをするなかで、ご自身のなかでの「一貫性」の重要性をよくお話ししています。とくにビジネスシーンの印象マネジメント®では、業種やポジションを踏まえ、その外見や言動には、ある程度の「一貫性」が求められ、それはとても重要なことです

 また、近い意味合いの「言行一致」。言っていることと行動が完璧に一致しているか、と聞かれると、努めてはいても完璧と言い切れる人は多くはないでしょう。自分で「完璧にできている」と答える人のほうが、逆に不安を感じます。

 この「一貫性」と「言行一致」ついてですが、印象マネジメント®でのこれまでの社長個人の一貫性が重要、としていましたが、それを少し改めることにしました。

 そのきっかけとなったのは、ここ数日、経営者や経営層の方々とお会いする機会があり、経営やマネジメントのお話しを聞きながら、いろいろと考え、感じることがあったこと。それに加えて、同じタイミングで読んだ本の影響が大きかったことがあげられます。

 2時間で読み終えたこの本とは、『仕事の技法』(田坂広志著/講談社現代新書)。表紙には、「相手からの“言葉以外のメッセージ”を感じ取る~」という言葉があり、著者はソフィアバンク代表の田坂氏で、ビジネスでのノン・バーバル(非言語)コミュニケーションを軸にした内容です。

感じ取ったものを部下へ伝える、教えるというトップ層の役割

 ノン・バーバルコミュニケーションとは、言葉以外(非言語)コミュニケーション手段のことで、人の立ち居振る舞いや話し方、表情といったものがあります。印象マネジメントの重要な要素でもあるこのノン・バーバルコミュニケーションは、私自身の専門分野でもあり、相応の知識と現場経験があると自負しています。

 ですが、私が得意とするのは、個人完結型の相手に与えるノン・バーバルコミュニケーション。すごく簡単に言ってしまうと、「自分の一貫性のある印象をいかにうまく相手に伝えられるか」となります。ビジネスシーンでは何かしらの印象を相手に与えるばかりでなく、相手から受けるノン・バーバルコミュニケーションもあるわけで、この本ではトップ層は、その感じ取ったものを部下へ伝える、教えるという役割も書かれています。

 企業としての「一貫性」とは、口先だけでなく心から「良い」と思うものごと、その基準が同じであること。その軸には企業理念があり、社長が社員を、上司が部下を、社員が顧客を思う気持ちの表れであったりします。印象マネジメントにおける「一貫性」というと、社長自身にフォーカスして、個人完結型でしたが、これから必要とされるのは、個人を超えた企業という大枠で求められていくと考えられます。

 その表れが社員の考え方であり、それに基づいた言動となります。カン違いしてはいけないのは、考えや言動がみんな同じであるという意味ではありません。それでは社員一人ひとりの個性をころしてしまうことになります。

 年が変わる新年1月は、生活全般を見直して新たにスタートするのに良い区切り。それに対して新年度4月は、仕事における見直しや新た枠組みを作るのに最適な時期です。一つの個人として完結でなく、同じものを良いと感じる集合体、企業としての一貫性を求める、その広がりを新年度からは求めていきます。


この記事の執筆者

yamakawa midori
山川碧子(やまかわ みどり)

株式会社プライムイメージ代表/AICI国際イメージコンサルタント。2006年からビジネスパーソンの印象管理・印象マネジメント®を中心にサポートしています。著書『4分5秒で話は決まる~ビジネス成功のための印象戦略』。お仕事のご依頼はこちらからお願いします。